街で見かけたNew Pandaは、私にとって軽自動車の粗悪なフェイクにしか写りませんでした。
Puntoは大きくて凡庸なシェイプのライトでオリジナルデザインのシャープさが台無しになり、Barchettaも国籍不明の今風なオープンカーに。どちらも商品力の新鮮さを掘り返すことだけが目的の、小手先のフェイスリフトです。
LANCIAはブランドネームだけの存在になって久しく、156から始まったAlfaの快進撃もグループ全体の不振のせいでそろそろ雲行きが怪しい。
ハードとしては世界水準に遅れをとっていても、スタイリングやクルマとしてのトータルなセンスに特化した存在。
意図したものではなくても、「いい加減さ」と「こだわり」の不思議なバランスがイタリア大衆車の特色だったはず。
それは優れた工業製品を作ることの出来る国・日本の視線で見た、ある意味勝手な「驕り」かも知れません。
しかし、独自の文化性を殺してまで没個性化したグローバルなプロダクトには、道具として何の魅力もないことは確かです。
発売に向けて開発が噂されている新チンクエチェント(Trepiuno)だけは、誤った方向に進まないように祈ってます。